Column

小径車への賛歌

2010/4/24
2010/4/24追記
2015/3/22 更新

(2015/3/22)
追記など

例として挙げている商品を現行にするなど、追記も行いました。
  記述している内容は、小径車の歴史や、ラレーRSW設計思想的なこと、あるいはARAYAの小径車の経歴に準じた事が多く、2010年にアップした内容をできる限りそのまま残すようにしています。

(2010/4/28)
フォールディングバイク
の件
追記しました

フォールディングバイク(折りたたみ自転車)についてのご質問を頂戴しました。末尾に追記しています。

ミニベロについて
まとめてみました

 久々の更新で失礼します。
  FAQと言うくらいですので、よくいただく質問についての事などを前回までまとめておいたのですが、前回までで多くいただくご質問についてのことは大体カバーでき、その他日々いただくご質問では、多岐にわたっていて、特にある項目に…と言うことではなかったこともあり、テーマが思い浮かばなかったこともあります。
  ミニベロについては、特に集中してご質問があったわけではないのですが、今までさまざまなことについてご質問もありましたし、昨秋(注2008年/11月のこと)リリースした広告に「詳細はInfomation/FAQで」と書きながらも、そのまま放置されてしまってまして、ご迷惑をおかけしました。一度まとめておきたいと思い、アップいたします。

RSWの広告と
伝えたかったこと

  まずは今まで月刊誌さんなどに掲載した広告をご覧いただければと存じます。カタログでの商品説明であるコピーテキストもそうなのですが、どれも随分横柄な物言いをした文章になっていますねえ。おまけに説明がくどいっ!! 失礼をしております。広告原稿の言い回し表現のひとつとしてご容赦ください。
これら広告で言いたいことは、下記になるでしょう。
   1. 現在ひとつのカテゴリーを形成したミニベロは、ラレーでのRSWが魁にもなったこと。
   2. ミニベロだけでなく、RSWは日本の一般用自転車にも影響を及ぼしたこと。
   3. ミニベロには独自の魅力があり、スポーツバイクといえども非常に趣味性が高いこと。
   4. 小径ホイールでも、機能は十分に設計を心がけたこと。
   5. ミニベロの趣味性の高さからのカスタマイズを愉しみたいこと。
以下、これらの事について、詳細のご説明をしたいと思います 。

RSW

2008/秋版
ミニベロロードRSCが加わって3機種でRSWのコンセプトを伝えた内容となっています

RSW

2009/秋版
2010で加わったRSR・RSHミニベロにおけるエクスキューズについて

RSW

2010/春版
果たしてミニベロはファーストバイクになりえるのか

(2015/3/22)
広告原稿を追加しました
RSW

2014/秋版
ミニベロロードRSCがリメイクされ、独自の魅力を伝えます

RSW

2015/春版
ミキストフレームRSMまたRSWシリーズのギヤ比451ホイールについて

1965年
小径車の概念を変えた
RSW発表

  1965年、ラレーはそれまでの小径車の概念を変えたRSWを発表しました。それまでは、「ホイールの小さい自転車・イコール・お子さん向の自転車」であったのです。大人のための小径車が如何に画期的であったのかは、今となればちょっと想像しにくいかもしれません。もちろん大人だけでなく、コンパクトな小径車の利点を生かして、男女兼用あるいは、大人のための自転車と言いながらでも、実はお子さんも乗れることで、一台で使い回しができるという、ちょっとケチくさいコンセプトも共感を得られたのでしょう。当時はまだまだ自転車は高級品。ひとりに一台と言うことは難しかった時代でもあったのでしょう。また広大なアメリカと違って、英国も日本と同じ島国です。コンパクトな車体は混雑した都会でも扱いやすそうだし、なんといっても新しいカタチが、お客様に受け入れられる要素もありました。

RSW

2008版のRSWシリーズ広告です。 1965ラレーRSWが全面に押し出され、 RSWのオリジナルや RSWコンパクトを ご覧いただけます。

  RSWはラレーの歴史の中での数あるヒット商品のひとつとなっています。また、英国といえばクルマではミニクーパー、そして普遍のファッションとなったミニスカートを生んだのも英国なのです。ミニの文化はしっかりとあったはずです。

ラレーとモールトン

  しかし、RSWは決してラレー独自のものでもなかったようです。ラレーの歴史の中でもこの辺の事が記されています。まず話があったのは、モールトンでした。モールトンは、当時世界最大の自転車メーカーであったラレーに小径車の共同開発を申し入れます。ラレー内部でもさまざまに検討が為されましたが、時期尚早ということで申し入れはいったん却下されました。却下された後も、小径車の可能性が研究され、モールトンとは違ったアプローチでの小径車RSWが発表されたのが1965年でした。モールトンは、ハイエンドの位置づけでもあり、サスペンション機能を設けるなど、高級で高価なものでしたが、ラレーでは小径車をより一般に愛用してもらうべく、一般的な価格に近いもので設定し、サスペンションの替わりに太めのタイヤを使うなどが、モールトンと異なるアプローチを行いました。
  いい自転車をより多くの方々に。これはラレー創業当時からの変わらぬコンセプトでした。20世紀前半、多くの自転車メーカーが乱立し始め、安かろう悪かろうで価格競争が激しくなったこともあったらしいのですが、ラレーはそれほど低価格に走ることなく、それでも何とか多くの方に乗ってもらいたいということで、購入のハードルを下げるために自転車のローン販売を始めたとありますが、ローンでの自転車販売もラレーが初めてだったそうです。より一般の方にラレーが設定した価格であっても、当時自転車はやはり非常に高価なものであったことがこの点からも分かります。

モールトン
モールトン2

ラレーで発売された モールトンモデル。 モールトンの特徴である 前後サスペンションを 設けていますが、 スペックはハイエンドにせず 一般的な仕様仕立を 目指していたようです。

RSWからミニサイクル
そして
ママチャリへの系譜

  画期的なRSWは、その後に折畳タイプも投入され、さまざまな提案がなされます。RSWはラレーの歴史の中でも非常にエポックメーキングなものとしてラレーだけでなく、自転車の歴史の大きなひとこまとして捉えられています。
  また、この小径車の考えは日本にも波及して、ミニサイクルという自転車でブームを作りました。小径車はお子さんの自転車だけではないという認識ができ、また家族誰でも乗れるということが非常に受け入れられたようです。今でも時々使い古されたような状態で、フレームの太い20インチホイールの自転車を見かけることがありますが、まさしくこれがミニサイクルの原型です。その後使われる方は女性が主流になり、20インチは車輪が小さすぎると言う声があり、22インチになり、24インチになり、26インチになり…(ここまで来ると小径ではないですね)。またUの字型の一本フレームは、少しずつデザインが変化して、またメインのフレームパイプが2本になったりします。これと従来からあった実用車、軽快車の自転車と合流して、現在言うところのママチャリに繋がっているように思います。
 実用車自体も、ラレーを主とする英国ロードスターがお手本となっていますので、日本の代表的な自転車ママチャリの起源を辿るとラレーになってしまうと系譜を考えながら思ったのですが、牽強付会すぎるでしょうか。
  なお、ロードスターは、普通はクルマのオープンカーのひとつの形式として捉えられていますが、元々は屋根のない馬車と言うことらしいです。なんとなく道(ROAD)の星(STAR)と思いがちですが、ROADSTERと言う、区切りのないひとつの単語です。しかし日本語サイトだけでなく、英語のサイトでも「ROADSTAR」でビシビシ検索に掛かってしまうので、ゆくゆくスペルが変わってしまうかもしれませんね。

 

RSWからミニサイクル、また実用車から軽快車、そしてママチャリへの系譜の考察
画像はラレーとアラヤ(ツバメ自転車)のカタログからの引用です。

系譜
ラレーとモールトン

 さて、スポーツ系の小径車はその後、特に大きく広がることはありませんでした。ユニセックス、コンパクトのコンセプトは良かったのですが、実際に乗ってみると走行感が重いと言うことが最大のデメリットでした。個々の部品性能など、なかなかハードが付いていかなかったようです。
  日本では、ミニサイクルが流行り、その後20インチのスポーツタイプも発売されました。GTミニと言う通称がありましたが、スポーツイメージと言うだけで、軽量な設計やスポーツバイク的なスペックではなく、本格的なスポーツ車ではなかったようです。   ラレーでは、その後小径車を発展させて、チョッパーでヒット商品を生み出します。当時の映画「イージーライダー」にリスペクトされたもので、デザインバイクのひとつです。これもスポーツ車と呼ぶには少し違うでしょう。
  その後あまり進化がなかった小径スポーツバイクですが、愛好家の間では静かに支持されていました。フレームからのフルオーダーによるものです。主に16インチや20インチでランドナータイプのものが愛好家の間で好まれたようです。何台もスポーツ車を所有されていて、お遊びの一台というポジションです。しかしオーダーですから半端なコストではありません。またランドナータイプがベースになっていて、ランドナー自体がフランス発祥で、当時はツーリングタイプはフランス流が崇められていたので、ミニベロという、なぜかベロ(VELO)だけがフランス語の奇妙な和製英語仏語が生まれました。現在ミニベロと普通に言いますが、語源はどうやらここにあるようです。この変な和製外国語は、今では海外でも自転車業界や自転車愛好家には通じるようになりました。後に述べますようにミニベロ文化が日本発信で海外に波及したことの現れでしょう。

GTミニ

GTミニの自転車の一例です。
上記のミニサイクルを ツヤ消ブラックにして 外装変速をつけ、 スタイルはスポーティですが、 今となればスポーツバイクと 呼ぶにはちょっと無理がありそう。

ミニベロドロップ

後にも出てきますが、 アラヤ・ マイクロハリー16。当時のオーダー・ミニベロは、 大体このようなスタイルでした。オーダーですから、カンチブレーキが直付になったりして、少し贅沢なつくりでした。

チョッパー

RSWに続いて、ラレーのヒット商品となったチョッパー。日本にも輸入されましたし、ミニサイクルと同じで、日本でもこのタイプの自転車が一時流行しました。自転車だけでなく。バナナタイプのサドルなど、カスタマイズパーツも多く出ました。中には、よりイージーライダーに近づけるべく、適当なパイプを繋いで長いフォークを自作したりされたこともあったようで、考えただけで恐ろしいカスタマイズもありました。 (絶対マネをしないでください・・・。と言っても今では誰もマネしないか。)

現在の
スポーツバイクの普及と
ミニベロの存在意義

  古くは1970年初頭のアメリカのサンタバーバラを発祥とする世界的なバイコロジーブームや、近年では1990年前後のバブル期と時を同じくしてマウンテンバイクが爆発的なブームになったりと、今まで何度かスポーツ車のブームがありましたが、単なる流行だったりもして、長続きすることはなかったのですが、現在では環境や健康へなど普遍的な関心からスポーツバイク支持され、ブームとは異なりスポーツバイクが定着をしてきていることは嬉しいことです。以前のロードやマウンテンバイクブームと違って、さまざまなお客様で、さまざまな使われ方をされる中、さまざまなスポーツバイクが愛用されるようになりました。その中でミニベロも脚光を浴びるようになり現在に至っているのでしょう。
  なお、ミニベロはどちらかと言うと日本だけのブームでした。色々な海外ブランドのミニベロが存在しますが、日本での販売量がダントツのようです。これは2009秋版の広告にも書いていますが、日本特有の文化にも起因するのではないかと思います。このことは同じ漢字文化圏であるアジアの諸国へもミニベロが波及しているようです。英国ではクルマのミニはあっても、日本のようにBセグメントのコンパクトカーを凌ぐようなな豪華装備&ハイパワーの軽自動車は作らなかったでしょう・・・いや市場がなかったのが正解かもしれませんが。
  以上RSWから、途中ママチャリなどに話が飛んでしまいましたが、当方で認識している今までの経緯です。当方での認識であるので、ある方にとっては「これはおかしいぞ」というお考えもあろうかと思います。お気づきの点があればご教授いただけると嬉しいです。

ミニベロの魅力
真実は?

  さて、現在のミニベロですが、前述したようにRSW発売当時とは異なり、個々の部品性能や、フレーム設計の進化、使われる素材の事もあり、今では本格的なスポーツバイクとして扱っても十分な性能を楽しめることも可能になりました。また、キュートなルックスからの趣味性あるいは速く走らなくてもエクスキューズができてしまうことも大きな魅力であると思います。コンパクトですから、これはRSW発表当時と一緒で、混雑した街中での取り回しがしやすい、駐輪やたとえばマンションのエレベータに入れやすい事なども挙げられます。

  車輪が小さくて軽いので加速性能が高いと言う事も言われますが、これは実際にどうかは難しいところです。たとえば、もっと極端にホイールが小さくて、タイヤの直径が10センチくらいの自転車を思い浮かべてください。より車輪が小さいですから、より加速性が高くなるはずですが、この自転車は果たしてもっと加速性がいいでしょうか。どう考えてもそのようには思えません。全体の設計やホイールのスペック重量など色々な要素も絡んで、フルサイズマシンより加速性が高い自転車ができることもあるかもしれませんが、小径・イコール・高加速性能は一概に言い切れないと思います。…あっ、こんなことを書けばせっかくのミニベロ賛歌の本稿の趣旨と反してしまいますね(笑)
  ミニベロに採用されているホイールサイズ、16インチから20インチなどが本当にいいのなら、現在主流の自転車の車輪径はそのようになっていたはずです。しかしながら主流のサイズは26インチであり、27インチでありあるいは700Cです。これらタイヤ外径で65cm~70cmが主流になったのは、自転車全体の設計と実際の乗車感覚から、もっとも自転車に適したホイールサイズであるともいえるようです。したがってミニベロの16~20インチは、フルサイズの自転車と比べると無理があり、ファーストバイクにはなりえない。しかしデザインや使用用途、あるいは趣味性と言うことで存在感があるという捉え方になっているのでしょうか。その意味では贅沢なスポーツバイクであるという意見も、もっともかもしれません。

2005年モデルRSW
2005年モデルRSW フォールディング

2005ラインナップのRSWです。収納性を考慮して、ハンドルをたたんで、シートポストを下げると、下のように縦長に収納できます。スペックは、現在のRSSと同様にメガレンジを採用してツーリングにも使用を考慮したワイドなギヤレシオをと本格的スポーツバイクスペックを採用していました。

ミニベロの魅力
真実は?

さてさて、以降は現在のラレーRSWシリーズのアピールをしたいと思います。 現在のモデルの特徴などを簡単に下記に示します。詳細は各画像をクリックして、各モデルのWEBカタログをご参照ください。また現在は生産を行っておりませんが、2005ラインナップでもRSWがありました。収納性を重視しながらもスポーツバイクスペック。しかし、よりピュアなスポーツイメージが求められ現在のようなラインナップになっています。2005RSWは、現在でもご要望をいただくことがあるのですが、お応えすることができず申しわけございません。。

(2015/3/22追記)
現行の2015モデルを
追記します

以前までは、この後2010年モデルの紹介のままになっていました。
現在の2015モデルの簡単な紹介を追記しています。

RSC

2015/RSC
2009年モデルより発売リヤ11段に進化したSHIMANO-105を搭載、REYNOLDS-520クロモリフレームには数々の独自のフレームワークが施されます

RSP

2015/RSC
2008年モデルより発売伝統のラレークラブスペシャルCLSの、流れを汲んだツーリングミニベロ2013年より、ホイールが451になりました

RSM

2015/RSM
RSWスポーツRSSが2007年モデルより発売2014年より、ロープロファイルなミキストに。ホイールも451化され、プロポーションを追求街との強制だけでなくツーリングにも活用可能

(2015/3/22追記)
以前の原稿を
アーカイヴで残します

以下は、先日までアップされていた2010年の簡単な紹介。
アーカイブとしてそのまま継続して以下アップしておきます。

RSS

RSS (RSW SPORT)
シティスポーツタイプでもっとも扱いやいフレンドリーなミニベロさらにツーリングにもしっかり使える本格的スポーツモデル

RSP

RSP (RSW SPECIAL)
ツーリング・ミニベロはラレー独自のコンセプトラレーの定番であるCLSクラブスペシャルの流れをミニベロに求めました

RSC

RSC (RSW CARLTON)
人気のミニベロロードをヴィンテージデザインでアプローチ細身でトップ水平ホリゾンタルデザインで美しくまとました

RSR

RSR (RSW RACE)
軽量なアルミダブルバテッドチューブを採用してクラス最軽量の8kg台でまとめたミニベロロードスペシャルスペック56Tラージギヤも装備

RSH

RSH (RSW RushHour)
ミニベロへの新提案シングルスピードモデルリーズナブルプライスでRSSと対極にあるもうひとつのシティスポーツモデル

RSWのギヤレシオ考

  前述しましたように趣味性の高さはありながら、多少のデメリットを持ってしまったミニベロなのですが、RSWでは、それでもファーストバイクになりうるものを目指したつもりです。
  まずは小径ゆえのギヤ比の違いのこと。ギヤ比は普通は前のギヤ歯数÷後のギヤ歯数で表しますが、実際にはクランクを一回転してどれだけ進むかを比較したほうがいいでしょう。フルサイズと同じギヤ比を装着してしまうと、車輪が小径であるのであまり進みません。極端に言うと漕いでも漕いでも進まない自転車になります。RSWではギヤ比を高めて、クランク一回転の進む距離をフルサイズマシンに近いものにしています。またローギヤ(低いギヤ比)でも考慮がなされていています。フロントに変速機能を持たないRSS(注:現在はRSM)でもフロントにトリプルギヤを装備した700Cクロスバイクに近いものまでにしているのです。フレンドリーなシティスポーツの装いでありながら、実はちゃんとツーリングにも使えそうなミニベロであったりするのです。
  各モデルのギヤ比をクランク1回転で進む距離を、フルサイズマシンと比較しています。数値をご覧いただければ守備範囲の広さを感じていただけると思います。。

(2015/3/22追記)
現行の2015モデルの
内容に追記しました
RSCクランク1回転で進む距離

フロントにスペシャルスペックの56Tアウターギヤを装備したRSCは、700CロードのCRNで比較。56Tでも小径ホイールですので、なかなかトップギヤが追いつきませんが、リヤ13Tでほぼイコールです。昨今のロードはフロントコンパクトドライブ(50-34T)でローギヤも低くなっていますが、それでもRSRのローギヤの方が軽くなっています。

RSPクランク1回転で進む距離

RSPはカタログでは、わかりやすい700Cクロスバイクで比較していますが、合わせてツーリング車のランドナーの一般的ギヤ比で比較しました。全てのギヤレシオをカバーするばかりか、ローギヤではさらに低いギヤ比を実現しました。

RSMクランク1回転で進む距離

RSMはフロントシングルギヤでありながら、 以前のラレークロスバイクで、街乗りからツーリングも考えたフロントトリプルギヤを装備BDHと比較。ギヤレシオの範囲をほとんどカバーしています。

(2015/3/22追記)
以前の原稿を
アーカイヴで残します

以下は、以前までアップしていた2010年モデルをベースにした記述です。
現在と考えは変わっていないことがお分かりいただけると思います。
アーカイブとしてそのまま(レイアウトは変更していますが)アップしておきます。

RSS

RSSはフロントシングルギヤでありながら、 代表的なクロスバイクでフロントトリプルギヤを装備したMRCのギヤレシオの範囲をほとんどカバーしています。トップギヤは、もう少しスポーティなBDCのトップギヤ8.85mには及びませんが、MRCより実質的に高いギヤ比になります。
(参考:RSS/20×1.25タイヤ外径=483mm、MRC/700×38Cタイヤ外径=704mm)

RSP

RRSPはモデルの性格上、比べる自転車が以前のものですが、ツーリング車の代表であるランドナーの一般的ギヤ比で比較。全てのギヤレシオをカバーするばかりか、ローギヤではさらに低いギヤ比を実現しています。
(参考:RSP/20×1.25タイヤ外径=483mm、ランドナー/650×35Aタイヤ外径=660mm)

RSC

ヴィンテージなデザインのクロモリのミニベロロードRSCは、ツーリングロードCREで比較。さすがにトップギヤ側が追いついていません。しかし30年ほど前はプロ選手ロードのリヤトップギヤは13~14Tだったことを考えると、それほどでもありません・・・と言うとこじつけになりますね。ローギヤ側は十分低く、フロントトリプルギヤを備え、インナーギヤ30Tのロードのローギヤ(2.55m)より軽いので、急な坂道もラクラクです。
(参考:RSC/20×1 タイヤ外径=504mm、CRE/700×25Cタイヤ外径=685mm)

RSP

フロントにスペシャルスペックの56Tアウターギヤを装備したRSRは、同じくTIAGRAフルスペックのロードであるCRFで比較。56Tでも小径ホイールですので、なかなかトップギヤが追いつきませんが、リヤ13Tでほぼイコールです。CRFはフロントコンパクトドライブ(50-34T)でローギヤも低くなっていますが、それでもRSRのローギヤの方が軽くなっています。 (参考:RSR/20×1 タイヤ外径=504mm、CRF/700×23Cタイヤ外径=677mm)

RSWフレーム設計
コンセプト

  ギヤ比は、小径ホイールだけに大きなポイントですが、フルサイズマシンとは異なるフレーム設計も重要になります。特にハンドリング特性の設定が難しいところです。
  ハンドリング特性については、Infomation/FAQの「乗車可能なサイズは?」で、トレールのことに触れています。ハンドリング特性を左右する寸法になります。一般的にトレールが長いほど直進安定性が増し、逆に言うと曲がりにくい自転車になります。各モデルのフレームスケルトン(Drawing)をご覧いただくと、車種によってトレールの寸法に特徴が見られます。ロード系は60mm前後、マウンテンバイクになると75mm前後になりますが、マウンテンバイクで長く設定しているのは不整地路面での走行で、容易にハンドルが取られにくいようにしているためです。曲がるときは体重移動で曲がる感じです。フロントサスペンションを有さないスポーツバイクでは、60mm前後がもっとも乗りやすいものになると思われます。しかしママチャリなどは、トレールはむしろ小さくなっています。このことは街中の雑踏を障害物をかわしながら、比較的低速で走るのに適していることによります。またママチャリは前にカゴが装備されていることが多く、お買い物した商品を放り込んだりします。あるいは重い通学カバンを載せることもあるでしょう。前輪荷重が増しますと設計トレールより実質的なトレールが大きくなります。前に荷物を積んでも、街中で乗りやすい自転車にもなっているのです。またスポーツ車でもランドナーではトレールが比較的小さめなのは、フロントバッグを搭載することが多いことや、ロードより常用速度が低いことも要因でしょう。
  随分以前、アラヤのサイクル事業部のときに通学車用の軽快車でスポーツバイク並みにフォークのオフセットを短くして、フォークの曲げをきれいにして、その横にモデルさんの美脚をカメラに収め、「曲線美の美脚フォーク」として出したことがあります。フレームのヘッドアングルは従来の軽快車どおりでしたので、オフセットが短くしたため、スポーツバイク並みのトレールになってしまったのですが、製品が出た後「なぜか分からないけど、今年のこのモデルはなんとなく曲がりにくいと言う声がある」と代理店さんか伺いました。軽快車と言う車種の関係上、フレームスケルトンなどはカタログに記載していません。しかしトレールは黙っていても分かるものだ。軽快車のトレールは、やはり長い年月をかけて熟成されたものだと、そのとき認識を新たにしたことがありました。
  前振りが長くなりましたが、小径車の場合は、フルサイズと同じようにトレールの値ばかりを考えるわけにはいきません。タイヤの接地性もフルサイズとは異なります。フルサイズマシンとトレールを共通にしたところで、同じようなハンドリング特性が得られないのが現実です。RSWのこと、あるいはARAYAでの今までの小径車の実績なども踏まえて、できる限りフルサイズマシンに近いハンドリング特性を求めたのが現在のフレームスケルトンになっていると思います。特にRSPなどは、ベースデザインとなったクラブスペシャルとよく似た乗車フィーリングともインプレッションされたりします。逆にミニベロらしくて面白くないなどと言われたりもします。どうやらミニベロは一般的にはハンドリングが不安定で、それがまたミニベロのミニベロらしいところ、ハンドルがクラクラするのがたまらん、と言うこともあるようです。

トレールの正体へご招待
トレール
トレールとは、ヘッドチューブ中心線を地面まで延長し、フロントハブ軸から垂直に地面まで降ろした部分までの距離をいいます。

トレール
ピギーバッグなど旅行鞄の底に付いているキャスターにもトレールがあります。進行方向側には上のようなカタチになっていてトレールがあるため、真っ直ぐに進みやすく、適度に曲がることができるのです。

トレール0とトレール長い
もしキャスターがトレールゼロだったら、感じとしてもフラフラしそうな鞄になりそうです。また余りにもトレールが長いスカタンなキャスターが付いていたら、曲がりたいときに思い切り力が要りそうです。このことからもトレールが短いと直進安定性が悪い代わりに曲がりやすく、長いと真っ直ぐ進むけど曲がりにくいということがわかります。
また、鞄が重くなったら、思うように曲がってくれないのは、実質のトレールが増加しているためで、左に書いている、前カゴにたくさんの買い物を入れたときと同様です。
キャスターは自転車のように車体が傾くことはありませんのでヘッドアングルのようなものが存在しませんが、自転車は車体を傾けても曲がります。ヘッドアングルで前方に傾けることで、車体が傾いても曲がる特性を備えています。マウンテンバイクで、体重移動で曲がるというのはこのことを言っています。

  その後リリースしたRSC、RSR(注:2015モデルにはありません)はミニベロロードと言うことも考慮して、よりクイックな感じを求めましたし、RSH(注:2015モデルにはありません)はもっとキビキビとした、悪く言うとトリッキーで、前述のクラクラを少し取り入れた乗車フィーリングになっていると思います。
  またどのモデルもフロントセンター、リヤセンター、そしてホイールベースはフルサイズマシンと変わりません。こちらは、あくまでフルサイズマシン同様の理想的な前後荷重配分を求めたものです。ミニベロのコンパクト性を追求すれば、もっと詰めることも可能です。フロントセンターを詰めても、ホイールが小さいのでつま先とホイール(あるいはフェンダー)が当たってしまうことはありません。リヤセンターを詰めてもリヤのタイヤとシートチューブが接近しすぎることはありません。ホイールベースを詰めると、自転車全体のサイズがもっと小さくなり、ルックスはもっとコンパクトになります。収納性もさらに高まるでしょう。しかし理想的な前後ホイール位置と言うのはやはりいじることはできません。また、フロントセンターを詰めすぎると、同時にハンドルが近くなりすぎますし、ステムの突き出しだけで調整しても、乗りにくいものになりますし、リヤセンターは詰めすぎると、変速性能にも影響します。
  ギヤ比やフレーム設計など十分に考慮することにより、趣味的なミニベロでありながら、オーナー様にとってファーストバイク足りえるものを目指したものになっていると考えています。また、ギヤ比や、フレーム設計以外にもRSW独自のスペックや設計が考慮され、ミニベロで愉しまれることの多いカスタマイズの可能性も拡張しているのです。

RSWとカスタマイズ

  趣味的なミニベロであるので、それぞれに自分流にカスタマイズすることを愉しんでおられるオーナー様も多いようです。ネットで検索するとブログなどでカスタマイズの一例をうかがうこともできます。   最もフレンドリーなシティスポーツタイプのRSS(現行2015モデルRSMでも多いです)では、フロントバスケットなどを取り付けて街乗りに便利なようにされている方も多いのですが、よりピュアなスポーツバイクにカスタマイズされている方もおられると聞きます。
ミニベロロードのRSCなどでは、装備されているロードコンポのグレードアップがカスタマイズとして多いようです。そのことも考慮してロードコンポーネントのグレードアップの可能性が考慮された仕様になっています。
  タイヤサイズにについては、RSC、RSRに採用のタイヤは、20×1と言うサイズが採用されています。20インチと言っても、ETRTO規格で言いますと451と406があります。ETRTOについては「ホイールサイズについて(アドバンス編)」で詳細を述べていますが、ETRTOはタイヤビードの直径を表し、451mmと406mmでは同じ20インチなのにその差45mmで2インチ(=50.4mm)近い差があります。まったく互換性がありませんので注意が必要です。451は20×1-3/8という非常に一般的なタイヤサイズを起源としますが、現在ではミニベロロードに多く採用されている20インチサイズになっており、406は現在もっとも多く採用されている20インチ規格でタイヤサイズが豊富です。ミニベロロードに使われるような非常に細いタイヤはありませんが、一般的な太さのタイヤからBMXに使われるような太いものまであり、RSWシリーズではミニベロロード以外のモデルに採用されています。RSC、RSRの20×1は、ETRTOで表すと23-451のタイヤサイズになり、700Cでは23Cと同じ太さ。本格的なロードと同じ太さになります。普通に使うのであれば、もう少し太いタイヤでもいいのですが、20×1の次に太いタイヤは20×1-1/8で、こちらは28-451となり700Cでは28C相当の太さになり、このサイズになるとロード用ブレーキでは49サイズと呼ばれるものでは、タイヤとブレーキのクリアランス(隙間)が十分でなく、57サイズ対応のフレーム設計が必要で、57サイズのブレーキしか装着できません。49サイズはロードコンポーネントで全てのグレードでありますが、57サイズはグループ外コンポになってしまいます。つまり57サイズでの設計ですと、たとえばシマノ105、アルテグラ、あるいはデュラエースへのグレードアップが不可能になってしまうのです。700Cでの25C相当、つまり25-451と言うタイヤがあれば、RSC、RSRで少しだけ太いタイヤを装着したいというときに活用できるのですが、残念ながら現在はありません。タイヤメーカーさんからの今後に期待したいところです。

フロントディレイラー比較

(写真は、以前のモデルをベースに説明しておりますが、現在も設計思想は変わりません)(2015/3/14追記)
上記で示した角度αがフロントメカ取付で重要な寸法になります。適正なα角度にすることで、ギヤとフロントメカの円弧が合って、フロント変速をスムーズにします。
ミニベロはフルサイズ700Cのロードより、車輪径が小さいので、後ハブ軸よりもギヤの取付位置が高くなります。RSWシリーズでは、フロントメカ取付用のチューブを別に設けることで、フルサイズのロードと同様の角度αを得るように設計されています。

(2015/3/22追記)
RSW
こんなカスタマイズは
いかが?

  以下に以前アップしていた「ラレー独自のRSPこんなカスタマイズは如何?」をアーカイブで残していますが、現在のRSPは若干の仕様変更はありますが、自転車全体のデザイン・雰囲気は不変ですので参考にもなると思います。
  新たに追記するここでは、現行2015モデルでのカスタム例をご案内します。
  RSCは、現在リヤ11段のSHIMANO-105をドライブトレーンに採用し、スギノ特注の56Tラージギヤを備えます。そのままでも十分にパフォーマンスの高い仕様ですが、シマノの上位グレードへの換装にも対応する設計になっています。
  また、ラレーらしいクラブモデル的なカスタマイズにも対応。デュアルコントロールレバーのワイヤー(ケーブル)ルーティングをスムーズに通し、かつトップチューブに設けられたシフトレバー台座を利用して、伝統的なダブルレバーの装着も可能にしました。残念ながらSHIMANOで11段用レバーはないのですが、サードパーティのフリクション(インデックス<カチカチ>無)のダブルレバーを組み付けることも可能です。
  ラレー型(ブルーメル型)のアルミポリッシュ仕上マッドガードやクロモリメッキ仕上フォーク、日東製オリジナルリヤバッグサポーター(小型リヤキャリア)もオプションで用意しています。取付にはフレームにダボ(台座)が必要になりますが、それぞれのダボはフレームチューブ内側の目立たない位置に配した、にくい設計も考慮しました。

RSPクラブモデル
カスタマイズ

それぞれの画像はクリックで拡大します RSC RSC
RSP独自のワイヤールーティングを説明しています RSC

  RSPは、下記にも示しますようにツーリングカスタマイズが妥当でしょう。示したカスタマイズ例のフロントバッグ(オーダー)やサドルバッグ(ブルックス)などはオプションとしてラレージャパンでは用意していませんが、あれこれと思索すのも楽しいです。
  RSMは、最もスタンダードなミニベロですが、先に説明したギヤレシオも利用して、街乗りに便利なカスタマイズもいいのですが、休日に足を伸ばせるツーリング仕様にまとめるのもいいかもしれません。例に示したカゴ、リヤキャリア、ツーリングバッグは、ラレージャパンでの取扱いではないですが、比較的容易に入手できます。販売店でご相談ください。

RSPツーリングカスタマイズ RSC
RSMシティユースカスタマイズ RSC
RSMツーリングカスタマイズ RSC

ラレー独自のRSP
こんなカスタマイズは
如何?

  RSHは2010ラインナップより、新たに提案されたシングルスピードタイプのミニベロで、RSSのようなフレンドリーなシティタイプでもないですし、RSCやRSPのように変速機能を持ちません。しかし近年流行のシングルスピードモデルです。シングルスピードモデルのカスタマイズパーツが豊富に出回っています。そのままでも非常に個性的なミニベロですが、シングルスピード用のカスタマイズパーツをうまく活用して、「やんちゃ」なカタチにしてしまうのも楽しいかも知れません。
  最後にRSPについて。RSCなどと同様にフロントメカを有したモデルですが、ミニベロロードとはまったくイメージが異なります。しかし、このモデルこそ、以前に同好の諸氏に愛されたランドナーあるいはツーリングタイプのミニベロに近いものです。当時は高価なオーダーでしかできなかったミニベロが、普通にお店で完成車製品としてお求めいただけ、ご提供ができるようになったことをうれしく思います。
  モデルの性格上、ツーリングのパートナーとしてのカスタマイズは如何でしょう。ニュートラルな乗車フィーリングは、ツーリングのためのファーストバイクとしても心強いものになってくれると思います。また落ち着いたグラフィックデザインも、旅の雰囲気をさらに盛り立ててくれるでしょう。当時のミニベロツーリングはフランス流でしたが、ランドナー風にフロントバッグを取り付けるにも、ミニベロではフロントキャリアとハンドルとの距離が遠すぎて普通にはうまく取付できません。RSPはラレーらしくサドルバッグ装着の英国風にまとめては如何でしょう。標準仕様の革サドルと同じブランドでBROOKSからサドルバッグが発売されています。サドルバッグには着替えなど軽いけれどもかさばるもの、フロントキャリアには、フロントバッグでなくナイロン生地の小振りなスタッフバッグに、嵩ははらないけれども重みのあるツール等を忍ばせてストラップで縛り付けるのもいいかもしれません。またツーリングに不可欠なボトルケージ&ボトルも装備。趣味性の高いミニベロツーリングならではで、観光地や景勝地での駐輪に便利なセンタースタンドを取り付けておくのもいいでしょう。コンポーネントなどのハード面のカスタマイズではないですが、このようなツーリングに便利なアイテムを装備させることで、オリジナルのRSPとは別物の、非常に存在感のあるミニベロに進化するのではないかとも思うのですが如何でしょう。よりイメージをご理解いただくために、装着例の写真を上げておきます。また近場ですがツーリングのロケを行いました。写真のアイコンをクリックしていただき、フォトギャラリーをご覧いただければと思います。

RSP RSW-Special フォトギャラリー

各画像をクリックして拡大画像をご覧ください
(装備されているブルックスサドルバッグ・CLB用フロントキャリア・ボトル&ボトルケージ・センタースタンドは標準仕様に含まれません)

フォトギャラリー 1
フォトギャラリー 2
フォトギャラリー 3
フォトギャラリー 4
フォトギャラリー 4
フォトギャラリー 4
フォトギャラリー 4
フォトギャラリー 4
フォトギャラリー 4
アラヤと小径車

  アラヤのサイクル事業部では、前に述べたランドナータイプのミニベロが愛好家だけでの間で好まれていた1970年代に、既にダイヤモンド型フレームのミニベロをマイクロハリーと言うネーミングで、量産車として発売してたことがありました。それもご丁寧に12インチ、14インチ、16インチの3サイズ展開です。12インチなどは非常にコンパクト(コンパクトすぎ!!) でありながら、ドロップハンドルを装備したもので、こうなれば乗り物と言うより完全なホビーアイテムです。16インチは前述のツーリングタイプ。ドロヨケも標準装備されたものでした。しかし他社さんが追随することはなかったようで、当時は量産車でなく、やはり愛好家だけのものだったのでしょう。
  また、マイクロハリーだけでなく、もっと時代をさかのぼれば、モールトンのような前後サスペンションの「ランペット」、コインロッカーに入る折りたたみ自転車「ロッキー」、9.8kgの超軽量シティミニサイクル「マイクロライト」、折りたたみならぬフレーム分割の「アメンボ」、今度は分割ならぬメインフレームスライド式の「縮んで可愛い(初代)ハンディダック」、現在ジュニア向で主流となった自転車のカタチであるCTBの先駆けである「マディフォックス・タックル22」、ワイドなギヤ比の内装7段変速のフィーチャリングをミニベロに求めシートチューブのない新しいデザインの「CCバイク207」、サスペンションを有しながらリーズナブルプライスなフォールディングバイク「ハンディダック」、これはさらに発展して、アルミフレーム前後サス・前後変速・DEOREコンポを採用したフォールディングバイクまで発展します。
  などなど、どうもARAYAはラレー以上に歴代で小径車への傾倒ぶりがあったようです。これらの中には国外・国内向にOEM生産されたものもあり、違ったブランドでも販売されたことも多かったようです。アメンボなどは米国向けに獅子のマークを貼付したブランドのものもありました。今となれば、ちょっと欲しいかも・・・。
  またまた、最後は自慢のような内容になってしまい恐縮です。昔を懐かしむだけでなく、せっかくのヘリテージです。大事にすると共に、うまく次代に生かして諸先輩に報いたく思います。ランペットからハンディダック、以前のカタログを整理して、また後日にアップしたいと思います。

マイクロハリー
上から12、14、16 (各画像はクリックして拡大します)

マイクロハリー12
マイクロハリー14
マイクロハリー16
(2015/3/22追記)
以ARAYAの他小径車を
アップしました

  上で「以前のカタログを整理して、また後日にアップしたいと思います」としておりましたが。以前のARAYAの代表的な小径車を下記に追記しました。
  各画像はクリックして拡大します。

コロネット (1969~)
CND

1965ラレーRSWを端として日本で大流行したいわゆるミニサイクル各社からもこのようなモデルが多く発売されました

パートナー (1970~)
PTN

フレームセンターで折りたたむプリミティブなフォールディングバイク

ポルカ (1971~)
CND

ラレーのチョッパーに触発よく見るとフロント変速も装備した10段変速。クルーザー型フレームやスタンドなど見どころ満載

ランペット (1971~)
RP

小径ホイールのデメリットをカバーするために前後サスを設けた意欲作現在見られるハンドルセンターでの前カゴも先取りしてます

ロッキー (1972~)
LK

コインロッカーに入るほどコンパクトにたためた独自のフォールディングバイクAction& Fashionは当時の全社統一キャッチ

マイクロライト (1982~)
ML18

9.8kgにまとめ上げ、シンプルデザインの18”モデル

パートナー (1983~)
LK

フレーム分割でスマートにパッキングできるフォールディングバイク

マディフォックス・タックル (1982~)
LK

今では一般的になったジュニア向けの小径MTBルックタイプも、このモデルが元祖になりますバリエーションが増えていますが、右上の黒/赤がオリジナル

初代ハンディダック (1992~)
LK

今度はフレームスライド機構によるフォールディングバイクセダンや当時流行のクロカン(SUV)に積んだイメージでなくロードスターのトランクがおしゃれ

CC BIKE (1994~)
ML18

発売されたシマノ・インター7(内装7段変速)を題材に、小径との組み合わせを 模索フレームデザインも独自

ハンディダック (1998~)
LK

おりたたみ方法はプリミティブなれど前後サスペンション、MTBコンポフル装備などフィーチャリング満載のモデルをはじめ多くのレパートリーがありました。

(追記 2010/4/28)
フォールディングバイク
(折りたたみ自転車)
について

 小径車といえば、フォールディングバイク、折りたたみ自転車もあるけど、どうなんだろう。ご質問をいただきました。2005ラインナップのRSWは、かろうじてハンドルが折りたたみですが、フレームの折りたたみではありません。
  少々いいわけのようになります。折りたたみは、その部分で可動部分を有し、動くということは、磨耗や長期間の使用でのガタ発生などの可能性がどうしても生じます。フレームと言う自転車の根幹部分での問題の可能性を少しでも排除したい現れでもあるのです。部品ですと磨耗などで交換する必要が生じても、その部分を交換することで修理できますが、フレームの交換となると、全ての部品を外し、再度組み立てる必要があり、修理のための工賃で非常にコストが掛かってしまうのは、ユーザーの方にとって大きな負担になります。折りたたみ機能を設けることによる強度不足は、それ以前の問題であり、しっかりとしたブランドの自転車であれば、そのことについては十分に研究されていると思いますが、可動部分の可能性は避けることが物理的に難しいと思うのです。磨耗しやすい軸部分のリプレースパーツなどが用意されていることもありますが、フレーム本体の方が問題となると、やはり交換しなければなりません。
  折りたたみ機能を設けることは、折りたたみ部分のフレーム部品が必要になりますし、折りたたみ機能を有しながらの強度確保と言う点から重量増にもなります。また、折りたたむという行為は、新車のときに「どれどれ・・・」と思って、折りたたんでみたりするものの、実際にはほとんど利用されていないのが現実ではないでしょうか。肝心の折りたたむ必要があるときには、複雑でハイメカニズムだった折りたたみ方法は忘れてしまっていて、あわてて取扱説明書を探してみるということもあるようです。こうなれば、せっかくの折りたたみ機能は、前述の問題や、重量増というデメリットが目立ってしまいます。

  2004ラインナップには、フォールディングバイクリリースの構想もありました。1965年のRSWから発展したさまざまなバリエーションの中での、RSW COMPACTのリメイク版で、横方向の折りたたみでなく、縦方向に折りたたむものです。図面やイラストでは、フロントメカも装備され、既に別に設けられたシートチューブでなくウィッシュボーンのモノシートステー(1本シートステー)にぶら下げられたチューブで、適正位置にフロントメカが取付けられ、縦折りのために折りたたんだ状態でも、前後輪で転がすこともできるようになっています。試作車も製作されましたが、前述のような理由もあり、製品としてリリースされることはありませんでした。しかし、いつかこれら問題も克服して、もっと進んだフォールディングバイクが実現ができればとも思います。

RSW 2003

  先輩で、超コンパクト、超軽量な折りたたみ自転車を自作され、コンパクトな袋に入れて、休日にふらりと電車に乗って美味しいところだけを軽くサイクリングするのを実践されていることを伺いました。まさに理想的な輪行サイクリングで、羨ましい愉しみ方と思います。
  あれれ、だんだんフォールディングバイクのラインナップを持たないラレーにとって、ちょっとまずい方向に話が行っているようです。この辺にしておこうと思います。